大悲庵のブログ

高野山真言宗大師教会

僧侶になること

畏怖と信仰心

先に書いたように高野山真言宗の場合、「得度」をしただけでは、"本来"ご葬儀などを執り行うことは出来ません。しかしその段階で葬儀を執り行なっている方がいらっしゃいます。 その得度の段階で留まっている御仁(定年後に得度し加行する気は無)が「これから…

得度から先に進めない

「得度はしたけれど先に進めない」偶に相談されます。 高野山真言宗の場合、「得度」をすると本山に僧籍簿が作られます。本来、それだけではご葬儀などを執り行うことは出来ません。「授戒」「四度加行」と進み、「伝法灌頂」に入壇して阿闍梨となります。こ…

お坊さんになりたいのですが

「僧侶になりたいのです」偶に言われます。 その理由はなんでしょう。世襲ではなく僧侶になった方、周りにおられます。自分も世襲ではありませんし、親戚が寺院というわけでもありません。定年後に僧侶を志す方には「晩年も先生と呼ばれたい」という謎な理由…

師僧様のお寺へ下座行

お正月はお師僧様のお手伝いにお伺いが出来ないため、せめてお正月前の仏器磨きにお伺いです。車で行きは3時間帰りは3時間半となかなか遠い道のりです。到着しましたら、お師僧様がお茶を入れてくださいました。本当に優しいです。僧侶になるにはまず師僧様…

黒衣の覚悟

初めて改良服に袖を通した時、重みというか覚悟を感じました。今でもそれは変わりません。改良服で電車に乗る時もありますが私服時と比べればやはり緊張します。周りは僧侶としてみるわけです。池袋駅で折伏されかかったりもします。僧侶になるときに先輩か…

阿字観について2

阿字観についての続きです。 当方、以前大学の阿字観講義のテストでこんなことを書きました。<一部抜粋>~己の仏性と向き合い自心を知る(如実知自心)方法として、密教の僧分であれば、仏と一体と成るべく行法で三密行を実践することが出来るが、一般の方は密…

阿字観について1

先日、当方の大師教会で阿字観は出来ませんか、と聞かれました。高野山大学と大学院のそれぞれの阿字観講義を受講したものの、まだまだ勉強が足りないと思っています。一緒に勉強しながら進んでゆくことは出来るのかと思います。そして、近々更に阿字観講習…

春の高野山

3月上旬の転衣式の時は念のためスタッドレスタイヤで山に登りましたが、今回はノーマルタイヤで登りました。春とはいえ、山は朝晩は寒いです。山に住んでいた時は6月までコタツを出していました!コロナの間は観光の方は本当に少なかったですが、だいぶ人が…

「無魔成満」

多くの僧侶の方のサイトを見る機会があります。プロフィールを拝見していて、真言宗僧侶までの過程(得度→授戒→四度加行→灌頂)について「無魔成満」と書いておられると、羨ましいな、と思います。兄弟子さんも四度加行は楽しかったらしいです。自分は辛かった…

得度式はお葬式

だいぶ前の話になります。 自分は実家がお寺ではないので、いわゆる在家。縁あって師僧と出会い、得度をさせていただきました。得度にあたり、師僧から「得度はね、今までの人生のお葬式なんだよ」と言われたことをはっきりと覚えています。 在家で30-40代…

尼僧の葬儀法要

師僧の寺では、回忌法要を200回近く経験させていただいた後、葬儀を執り行わせていただけるようになりました。その後、現師僧から「今後は自身で法要の依頼を受けてよいですよ」と言っていただき現在に至ります。 葬儀に出仕しますと「尼僧さん珍しいですね…