大悲庵のブログ

高野山真言宗大師教会

阿字観について2

阿字観についての続きです。

当方、以前大学の阿字観講義のテストでこんなことを書きました。
<一部抜粋>
~己の仏性と向き合い自心を知る(如実知自心)方法として、密教の僧分であれば、仏と一体と成るべく行法で三密行を実践することが出来るが、一般の方は密教の修行者と同じことは出来ない。しかしながら、密教瞑想は一般の方でも行うことが出来る三密行である。僧分でなくとも密教の真髄を体感することが可能なのである。
~略
密教を根拠に裏付けされた密教瞑想法は現代人に受け入れてもらえる土壌が整っているといえ、布教には心強い要素と言える。
一方、(略) 密教を勉強せぬまま、箔付けの為か真言宗で得度をし、瞑想を教えたりということは枚挙にいとまがない。そのような一部の(略)ーーー。だからこそ、正しい密教瞑想を広めてゆかなければならないが、残念ながら密教瞑想をあまり重要視していない已灌頂者が-略-

 覚鑁上人は『阿字観によって浅観の者でも現身往生、深修の人は即身成仏できる』※とした。

======ココマデ

略の部分は、お察しくださると・・
阿字観は一朝一夕で出来るようになるものではないと自分は考えます。大学の講義の際、月輪観の実践がありましたが、周りの人は皆すぐに出来るのか、と驚きました。自分には難しくてそんなにあっさりとできるのかと不思議でなりませんでした。

 


※北尾隆心『密教瞑想の研究』東方出版 1996年