大悲庵のブログ

高野山真言宗大師教会

牟礼 西林寺様「現代の日本昔ばなし」

善通寺講習会終了後に牟礼の西林寺様にお邪魔させていただきました。こちらのご本尊様は静岡西山寺と同じ薬師如来様なのですが、とても変わったお薬師様でした。
当方が高野山で偶々、西林寺様に出仕なさっている尼僧さんとお話したことで今回の訪問となりました。後から西林寺ご住職様と静岡西山寺住職は顔なじみであったとお伺いした次第です。

ご住職様、尼僧様ともとても真面目なお人柄で一心に仏様を信心なさっていることがお話の端々から伝わってきました。
ある時、飛び込みでおばあちゃんが孫の病気の祈願をしてほしいといらしたそうです。
菩提寺さんにお願いなさっては」と申したところ、「頼んだけど一向によくならない」と。聞くと藁をもつかむ思いで川端の野仏様に手を合わせていたら、どこからともなく「この川の上流にお寺があるから、そこのご住職に祈ってもらいなさい」と声が聞こえてきた。「お寺なんかあったかいな?」と川を辿ってきたら西林寺さんに辿り着いたとのこと。おばあちゃんの必死の願いに西林寺ご住職様も「それでは」とお薬師様に祈願したところ、一旦お孫さんの病状は持ち直したものの、また悪化してしまったと。ご住職様はそれを聞き「はっ!一度ではダメなのだ」と七日間祈願したそうです。


御祈願結願後お孫さんの病気は回復したそうです。そのような不思議なお話も聞かせていただき、楽しい時間はあっという間に過ぎました。帰りに讃岐名物「かまど」さんのお菓子を「西山寺信徒様へ」とたくさん頂きました。

初めて四国お遍路に行った頃が、とても遠い昔のように思えます。その頃は四国で縁ある方のお寺に立ち寄ることなど、想像もできませんでした。ただただ必死に八十八か所結願を目指しわき目もふらずお遍路しておりました。今回は高知、香川と立ち寄らせていただいたお寺で本当に楽しい貴重な時間を過ごせました。この世はご縁で成り立っているのだと実感した次第です。